出展者マニュアルを開くと、「パッケージブース申込書」が綴じ込まれています。価格がはっきり書いてあり、申込書1枚で済む。一方で装飾会社に頼むと、打ち合わせも要るし高くつきそうに見える。初めての出展なら、そう感じるのが自然です。
ただ、どちらが安いかは基本料金を並べても分かりません。同じ仕上がりにしたときの総額で比べて、はじめて答えが出ます。この記事では、比べる項目を5つに絞り、当社の公開価格を使った試算と、比べる手順を説明します。
パッケージブースと装飾会社への発注は、何が違うのか
パッケージブースは、主催者(または主催者が指定する装飾会社)が用意するセットです。壁、社名板、照明、机などをひとまとめにして、決まった価格で申し込めます。含まれるものと価格は展示会ごとに違い、出展者マニュアルに載っています。
装飾会社への発注は、小間の形と展示物に合わせてブースを設計してもらう方法です。発注先の種類そのものは展示会ブースの発注先の選び方で整理しています。
| 項目 | パッケージブース | 装飾会社への発注 |
|---|---|---|
| 価格の決まり方 | 定額。マニュアルに掲載 | 構成に応じて見積もり |
| 形と大きさ | 決まった形から選ぶ | 小間と展示物に合わせて設計 |
| 手続き | 申込書を出す | 打ち合わせと、必要に応じて施工の届出 |
基本料金だけで比べると、判断を間違える
パッケージの基本料金でできあがるのは、白い壁に社名板がついた状態、という展示会が少なくありません。壁に貼るグラフィック、追加の棚やテーブル、モニター、コンセントは、オプションとして1点ずつ足していく形です。
装飾会社の「◯万円〜」も事情は同じで、末尾の「〜」の先にグラフィックや什器が加わります。つまり、どちらの数字も「足す前の値段」です。足す前の値段どうしを比べても、実際に払う金額の差は見えてきません。
比べる前に、まず完成形を決めます。壁の何面にグラフィックを入れるか。棚とテーブルはいくつ要るか。モニターは使うか。この3つを決めてから、両方の金額を積み上げます。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
総額で比べる5つの項目
完成形が決まったら、次の5項目を同じ条件で並べます。
| 項目 | パッケージで確認すること | 装飾会社で確認すること |
|---|---|---|
| 1. ブース本体 | 壁・床のカーペット・照明・社名板のうち、どれが基本に入っているか | 基本価格に入る範囲。床と照明の扱い |
| 2. 壁面グラフィック | 出力と貼り込みのオプション価格。データは誰がつくるか | 面数ごとの出力費と、デザイン費の有無 |
| 3. 什器 | 基本に入る机・椅子の数。追加の単価 | 1点ごとの単価 |
| 4. モニター | レンタルの有無とサイズ、スタンド込みか | レンタル費。映像制作も頼めるか |
| 5. 電気 | コンセントの数と容量。工事費・使用料が入っているか | 主催者側への申込みを代行するか。代行の費用 |
装飾会社側の数字の例として、当社のブース見積もりサービス「NEIGHBOR」の公開価格(税別)で試算します。壁面があれば足りるなら、壁だけプランが1小間18万円〜。ここにハイテーブル1台8,000円、折りたたみチェア2脚8,000円、カタログスタンド1台8,000円を足すと204,000円です。製品を棚に並べるシステムブースは1小間28万円〜、43インチモニターは1台42,000円です。
いずれも照明込みで、ターポリンやパネルなどのグラフィックは別途お見積もりになります。小間代と電気の費用は、どちらを選んでも主催者側へ支払います。パッケージ側も、同じ完成形になるようにオプション表から金額を拾って足せば、差がはっきり見えます。「〜」の先の考え方はシステムブースの価格、28万円に含まれるもの・別料金になるもので詳しく書きました。
パッケージが向く場合、装飾会社が向く場合
パッケージが向くのは、次のような場合です。小間が小さく、装飾できる範囲がそもそも限られる。壁にポスターを数枚貼り、机に製品を置けば伝わる。出展が決まったのが遅く、準備の時間がない。
装飾会社が向くのは、壁の全面を使って「何の会社か」を見せたい場合や、展示物の大きさに合わせた棚や台が要る場合です。年に2回以上出展するなら、グラフィックを次回も使える仕様でつくっておけるので、2回目以降の費用が下がります。
なお、主催者によっては、小さな小間では独自の装飾ができず、パッケージから選ぶ決まりになっていることがあります。例はRX主催展の0.5小間の規定変更で取り上げました。比べる前に、自分の小間で外部の装飾会社が施工できるかをマニュアルで確かめてください。
比べる手順と、動き出す時期
手順は4つです。1つめ、マニュアルでパッケージの内容、オプションの価格表、申込期限を確認する。2つめ、完成形を決めて、パッケージでそろえた場合の総額を自分で足す。3つめ、同じ完成形を装飾会社2〜3社に伝えて見積もりを取る。4つめ、総額と「含まれていないもの」を横に並べる。見積書の読み方は見積書で契約前に確認すべき7項目が参考になります。
気をつけたいのは時期です。パッケージの申込期限を過ぎてから装飾会社を探すと、比べる余地がなくなります。当社の場合、相談の目安はシステムブースで会期の1か月前ごろまで、木工ブースは2〜3か月前までです。マニュアルが届いたら、その週のうちに期限だけは確認しておきましょう。仕上がりの違いは施工事例でも確かめられます。
よくある質問
パッケージを申し込んで、グラフィックだけ装飾会社に頼めますか?
できる展示会もあります。ただし、パッケージの壁への貼り方に決まりがあったり、貼り込み作業そのものが指定業者に限られていたりすることがあります。マニュアルで確認し、書かれていなければ事務局に問い合わせてください。
装飾会社に頼めば、主催者への支払いはなくなりますか?
なくなりません。小間代(出展料)は主催者に支払います。会場で使う電気の工事費や使用料も、主催者や会場指定の窓口へ申し込むのが一般的です。申込みの流れは電源・インターネット回線の申込みにまとめています。
まとめ
パッケージブースと装飾会社のどちらが安いかは、基本料金では決まりません。完成形を先に決め、ブース本体・グラフィック・什器・モニター・電気の5項目を同じ条件で足して、総額で比べます。白い壁と机で足りるならパッケージ、壁面で見せたい、次回も使いたいなら装飾会社。どちらにしても、パッケージの申込期限より前に比べ終えることが大切です。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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