ブースの見積もりを取ったら、「グラフィック一式」の金額が思ったより大きかった。あるいは、壁は用意されるけれど、壁に貼る絵柄は別料金だと言われた。初めての出展では、こうした場面で手が止まりがちです。
壁面グラフィックは、ブースの印象を一番大きく左右する部分であると同時に、見積もりの中で中身が見えにくい項目でもあります。この記事では、ターポリン(塩ビ製の幕)とパネルの違い、費用を決める要素、面積から目安をつかむ手順を、発注前の担当者向けに整理します。
壁面グラフィックの費用は「4つの項目」でできている
見積書で「グラフィック一式」とまとめられていても、中身はおおむね次の4つに分かれます。項目ごとに分けて書いてもらうと、どこにお金がかかっているかが分かり、削る・残すの判断がしやすくなります。
| 項目 | 中身 | 金額が変わる要因 |
|---|---|---|
| デザイン費 | レイアウト・文字組み・写真の配置 | 面数、修正回数、データ支給か一から作るか |
| 出力費 | 大判プリンターでの印刷 | 面積(㎡)、素材、印刷の仕様 |
| 加工費 | 縫製・ハトメ・パネルへの貼り込み | 仕上げの方法、枚数 |
| 施工・撤去費 | 会場での貼り付けと取り外し | 面数、高さ、作業時間 |
特に見落としやすいのが加工費と施工費です。出力した幕を会場で貼る作業は、職人の時間がかかります。同じ面積でも、壁1面にまとめるか細かく分けるかで、手間が変わります。
ターポリンとパネル、どちらを選ぶか
壁面グラフィックの素材は、大きく分けて幕を貼るターポリンと、板に出力物を貼るパネルの2種類です。どちらが正解ということはなく、使い方で選びます。
| 比較項目 | ターポリン(幕) | パネル(板) |
|---|---|---|
| 見た目 | 大きな面を継ぎ目少なく覆える | 表面が平らで、写真や細かい文字がきれい |
| 運搬・保管 | 丸めて運べる。保管場所を取らない | かさばる。運搬費と保管場所が必要 |
| 再利用 | 折りジワに注意すれば次回も使える | 傷がなければ使えるが、保管の手間がかかる |
| 費用の傾向 | 面積あたりで比べると抑えやすい | 板代と貼り込みの手間が加わる |
目安として、壁一面に大きな写真やキャッチコピーを見せたいならターポリン、商品の説明や図版を近くで読んでもらいたいならパネル、という分け方が実務的です。次回以降も同じデザインを使う予定があるなら、運びやすく保管しやすいターポリンに寄せるのも手です。再利用の考え方はブースを「次回も使う」ための保管と再利用の考え方でも紹介しています。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
面積を出すと、費用の目安がつかめる
グラフィックの費用は面積に比例する部分が大きいので、まず「何㎡貼るか」を数えるのが近道です。1小間(3m×3m)で、壁の高さを2.7mとして計算すると、目安は次のようになります。
- 奥の壁1面:約3m×2.7m=約8㎡
- 奥の壁+左右の壁(コの字):約8㎡+約8㎡×2=約24㎡
- 奥の壁だけ全面、左右は上部の帯(高さ60cm程度)のみ:約8㎡+約3.6㎡=約11.6㎡
面積だけでも、全面に貼るか一部にとどめるかで2倍以上の差がつくことが分かります。予算に限りがある場合は、通路から一番目に入る奥の壁を全面グラフィックにし、左右は社名やキャッチコピーの帯だけにする組み立て方が、見た目と費用のバランスを取りやすい方法です。
ターポリンの出力費は、目安として1㎡あたり数千円台からが一般的とされますが、素材の厚み、防炎加工の有無、仕上げの方法で変わります。正確な金額は、面積と枚数を伝えたうえで見積もりを取って確かめてください。
費用を抑えたいときに見直す5つのポイント
グラフィックの費用を下げたいとき、デザインの質を落とす前に見直せるところがあります。
- 貼る面を絞る:全面ではなく、通路から見える面に集中させる
- 面の分割を減らす:細かいパネルを何枚も作るより、大きな1面にまとめる
- データを社内で用意する:ロゴ・写真・文章を入稿できる形でそろえておくと、デザイン費の修正回数が減る
- 次回も使えるデザインにする:日付や展示会名を幕に直接入れず、差し替えやすい小さなパネルに分ける
- 入稿の締め切りを守る:締め切り直前の修正や特急対応は、追加費用の原因になりやすい
入稿の締め切りやデータの作り方は展示会ブースのグラフィック(出力物)の作り方と入稿の基本にまとめています。日程に余裕があるだけで、選べる手段が増えます。
ブース本体とグラフィックは「セットで」考える
ブースの見積もりでは、壁や照明などの本体と、壁に貼るグラフィックが別の項目になっていることがよくあります。東京フィルムアートのNEIGHBORでも、システムブースは1小間28万円〜(税別・照明込み)で、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。本体に何が含まれるかはシステムブースの価格、28万円に含まれるもの・別料金になるもので詳しく説明しています。
比べるときは、本体価格だけで判断せず、「本体+グラフィック+施工」の総額で並べることが大切です。本体が安くても、グラフィックの面数が多ければ総額は逆転します。実際にどのくらいの面にどんな絵柄を入れているかは、施工事例も参考にしてみてください。
ターポリンは何回くらい使い回せますか?
保管状態によりますが、丸めて保管し、折りジワや汚れを避ければ複数回の出展で使える場合があります。小間の大きさが変わると寸法が合わなくなるため、次回の小間サイズも想定しておくと無駄が出にくくなります。
デザインだけ自社でつくって、出力と施工を頼めますか?
多くの装飾会社で対応可能です。ただし、仕上がりサイズ、塗り足し、解像度などの入稿条件を事前に確認してください。条件が合わないと作り直しになり、かえって費用と時間がかかります。
見積もりで「グラフィック一式」としか書かれていない場合は?
面数・各面のサイズ・素材・デザイン費が含まれるかを質問し、項目を分けて出してもらいましょう。比べ方は見積書のチェック項目の記事も役立ちます。
まとめ
壁面グラフィックの費用は、デザイン・出力・加工・施工の4項目でできています。まず貼る面積を数え、素材をターポリンかパネルかで選び、見せたい面に集中させる。この順で考えると、限られた予算でも伝わるブースに近づけます。見積もりは本体とグラフィックを合わせた総額で比べるのが、失敗しにくい方法です。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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