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展示会お役立ちコラム

展示会の前に、60分だけ集まる。スタッフ向け事前説明会とロールプレイの進め方

ブースも資料も準備できた。でも当日、応援で来た他部署のスタッフが製品の説明に詰まり、来場者が「また来ます」と離れていく。初出展でよく聞く場面です。原因は本人の力不足ではなく、「何を、どこまで話せばいいか」を事前に共有していなかったことにあります。

この記事では、会期前に60分で終わる事前説明会の進め方と、その中でやるロールプレイ(接客の練習)の手順を紹介します。特別な研修は必要ありません。会議室と、A4の紙1枚があればできます。

事前説明会は、会期の3〜7日前に60分

時期は会期の3〜7日前が目安です。早すぎると当日までに忘れ、前日では直す時間がありません。この時期なら、練習で出た「この質問に答えられない」を、資料の追加や担当者への確認で埋められます。

参加してもらうのは、当日ブースに立つ全員です。半日だけ入る応援スタッフや、受付だけを担当する人も含めます。来場者から見れば、ブースにいる人は全員その会社の担当者だからです。遠方の人はオンライン参加でも構いません。

時間内容ねらい
10分出展の目的と、会期中の目標数字を共有する何のために立つのかをそろえる
10分ブースの図面を見ながら、立ち位置と役割を確認する当日の動きを想像できるようにする
10分30秒の説明文を全員で読む最初のひと言をそろえる
25分ロールプレイ声に出して、詰まる場所を見つける
5分集合時間、服装、持ち物、連絡先の確認当日の朝の混乱をなくす

人数とシフトがまだ固まっていない場合は、先に出展スタッフの人数の決め方とシフトの組み方を見て決めておくと、説明会がスムーズに進みます。

配る資料はA4で1枚。5つの項目に絞る

分厚いマニュアルは読まれません。当日ポケットに入れておけるA4の紙1枚に、次の5つだけを書きます。

項目書く内容
出展の目的と目標例:新規の見込み客と3日間で名刺交換100件、うち後日の商談の約束10件
今回いちばん見せたいもの製品やサービスを1〜2点に絞り、ひと言の特長を添える
30秒の説明文誰の、どんな困りごとを、どう解決するか
必ず聞くこと相手の業種、困っていること、導入の時期の3点
答えられないときの引き継ぎ先技術の質問は誰、価格の質問は誰、と名前で書く

大事なのは5つめです。全員がすべてに答えられる必要はありません。「詳しい者に代わります」と言える先が決まっているだけで、応援スタッフの不安は大きく減ります。聞く項目の決め方は展示会当日に「何を聞いて、どう残すか」の設計で詳しく扱っています。

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30秒の説明文をつくる

通路で足を止めた来場者が、立ったまま聞いてくれる時間は長くありません。最初の説明は30秒、文字にして150字前後を目安にまとめます。

型は3つの文です。1文めで「誰の、どんな困りごと向けか」。2文めで「どう解決するか」。3文めで「相手への問いかけ」。たとえば「金属加工の現場で、検査に時間がかかっている会社向けの装置です。目で見ていた傷の確認を、カメラで自動化できます。いまの検査は、何人でされていますか」という形です。

最後を問いかけで終えるのがポイントです。説明だけで終わると、来場者は「なるほど」と言って立ち去ります。質問で終えれば、そこから会話が始まります。最初の声のかけ方そのものは展示会スタッフの服装・立ち位置・声かけを参考にしてください。

ロールプレイは3人1組、1回3分で回す

説明文は、読んだだけでは口から出てきません。必ず声に出して練習します。やり方は簡単で、3人1組になり、スタッフ役・来場者役・見ている役を順番に交代します。

1回の流れは、声をかけて30秒の説明をし、質問を2つ聞いて、名刺をもらうところまでの約3分。終わったら、見ている役が「良かった点を1つ、直したい点を1つ」だけ伝えます。指摘を1つに絞るのは、直す点が多いと当日は何も直せないからです。3人が全員スタッフ役をやって、1周およそ12〜15分。25分あれば2周できます。

来場者役には、場面を1つ指定しておくと練習になります。「急いでいて30秒しか聞けない人」「すでに他社の製品を使っている人」「情報収集だけで、買う予定のない人」の3つがあれば、当日出会う来場者の多くに対応できます。

答えにくい質問を、先に3つ決めておく

ロールプレイをすると、スタッフが詰まる質問はほぼ決まっていることが分かります。多いのは「いくらですか」「他社と何が違うのですか」「納期はどのくらいですか」の3つです。

この3つは、説明会の場で答え方を決めてしまいましょう。価格は「目安として◯万円からで、仕様で変わるので後日お見積もりします」のように、言ってよい範囲を数字で決めておきます。人によって答えが違うと、会社としての信用に関わります。価格の扱いは展示会ブースに価格は書くべき?にまとめました。

説明会で出た質問と答えは、その場で紙に書き足し、当日はブースのバックヤードに貼っておきます。会期中に新しく出た質問は、1日の終わりに追加します。この振り返りの進め方は会期中にやる「終礼」と日ごとの改善をご覧ください。立ち位置を確認するときは、施工事例の写真で似た広さのブースを見ておくと、当日の動きを想像しやすくなります。

よくある質問

全員が集まれる日がありません。どうすればいいですか?

2回に分けて開くか、オンラインでつないでください。それも難しければ、30秒の説明文を責任者が読み上げた動画を1本撮って共有し、各自で3回声に出してもらいます。資料を配るだけで済ませるのは避けましょう。声に出さないと、当日は言葉が出てきません。

派遣やアルバイトのスタッフにも必要ですか?

必要です。むしろ自社の製品を知らない人ほど効果があります。説明までは求めず、「声をかけて、30秒の説明文を伝え、社員に引き継ぐ」までを役割として練習してもらいます。当日の朝、開場前に15分取るだけでも変わります。

まとめ

展示会の前に、会期の3〜7日前に60分だけ集まる。配るのはA4で1枚、覚えるのは30秒の説明文、練習は3人1組で1回3分。これだけで、誰が対応しても同じ内容が伝わるブースになります。

ブースの装飾は来場者の足を止めるところまで。その先の会話をつくるのは、立っている人です。当日の朝に慌てないよう、カレンダーに説明会の日を入れるところから始めてみてください。

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