今年の展示会が一段落し、「来年も出るなら、そろそろ考えないと」と感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。一方で、初めて出展した企業ほど「来年のことは年明けに考えよう」と後回しにしがちです。
実は、春から夏に開かれる展示会の多くは、前年の秋から年末にかけて出展募集や早期申込の締切を迎えます。また、多くの会社で来年度の予算を組むのもこの時期です。この記事では、来年の展示会を「行き当たりばったり」にしないための年間計画の立て方と、予算の組み方を順番に説明します。
なぜ「秋」に来年の計画を立てるのか
理由は大きく3つあります。1つ目は、展示会の申込みが早いことです。人気の展示会では、会期の1年近く前から出展募集が始まり、早期申込で出展料が割り引かれることがあります。割引率は展示会によって異なりますが、目安として1〜2割程度のものが見られます。
2つ目は、小間位置(ブースの場所)への影響です。申込み順や過去の出展実績で小間位置の選定順が決まる展示会では、早く申し込むほど選択肢が広がります。小間位置の考え方は「「角小間」は本当に有利? 展示会の小間位置の決め方」で詳しく紹介しています。
3つ目は、社内の予算編成のタイミングです。3月決算の会社なら、来年度の予算案は秋から年明けにかけて固まっていきます。ここで展示会の予算枠を確保しておかないと、「出たい展示会があるのに予算がない」という事態になりかねません。
まず「今年の振り返り」を数字で残す
来年の計画は、今年の結果から始めます。記憶が薄れないうちに、次の項目を1枚のシートにまとめておきましょう。
- かかった費用の総額と内訳(出展料・装飾・印刷物・人件費・交通宿泊など)
- 獲得した名刺の数と、そのうち商談に進んだ件数
- 会期後3か月時点での受注件数・受注見込み額
- よかった点・困った点(ブース、スタッフ、準備の段取り)
たとえば費用が総額150万円で、商談につながった相手が15社なら、1社あたりの獲得費用は10万円です。この数字があると、来年「どの展示会に、いくらかけるか」を判断しやすくなり、社内への説明にも使えます。成果の測り方は「「なんとなく出展」を卒業する。展示会の目標設定とKPI」も参考にしてください。
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1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
年に何本出る? 出展本数と展示会の組み合わせ方
初出展の翌年は、「本命1本+試し1本」くらいから始めるのが現実的です。いきなり年4〜5本に増やすと、準備と会期後のフォローが追いつかず、どの展示会も中途半端になりがちです。
| パターン | 年間本数の目安 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 本命集中型 | 1本 | 担当者が1〜2名で、まずは1回の成果を最大化したい |
| 本命+試し型 | 2本 | 主力の展示会に加え、別業界や地方の展示会を試したい |
| 通年型 | 3〜4本 | 営業体制が整っており、季節ごとに見込み客を補充したい |
展示会を選ぶときは、「来場者に自社の顧客候補がどれだけいるか」を最優先に考えます。会期が近すぎる展示会を2つ選ぶと、準備期間が重なって負担が大きくなるので、少なくとも2〜3か月は間を空けると安心です。選び方の判断軸は「「どの展示会に出る?」自社に合う展示会の選び方と5つの判断軸」にまとめています。
1回あたりの予算は「積み上げ」で組む
出展予算は「去年と同じくらい」で決めるのではなく、項目ごとに積み上げると、削る・増やすの判断がしやすくなります。1小間(3m×3m)で出る場合の組み立て例は次のとおりです。金額は展示会や内容によって大きく変わるため、あくまで考え方の目安としてご覧ください。
| 項目 | 考え方 | 確認先 |
|---|---|---|
| 出展料 | 展示会ごとの募集要項で確定。早期割引の有無も確認 | 主催者の募集要項 |
| ブース装飾 | 工法(壁だけ・システム・木工)で大きく変わる | 装飾会社の見積もり |
| 電気・備品レンタル | 電気容量、テーブル、椅子などの追加分 | 出展者マニュアル |
| 印刷物・ノベルティ | パンフレット、チラシ、配布品 | 印刷会社・社内 |
| 交通・宿泊・人件費 | 人数×日数で計算。遠方なら特に大きい | 社内規定 |
| 予備費 | 全体の1割程度を見ておく | ― |
ブース装飾は、たとえば弊社の「NEIGHBOR」では、壁だけプランが1小間18万円〜、システムブースが1小間28万円〜、木工ブースが1小間72万円〜(いずれも照明込み、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金、参考価格)です。どの工法にするかで予算の桁が変わるので、計画段階で候補を決めておくと予算が組みやすくなります。
また、ブースを「次回も使う」前提でつくると、2回目以降の装飾費を抑えられる場合があります。詳しくは「使い捨てにしない。展示会ブースを「次回も使う」ための保管と再利用の考え方」をご覧ください。補助金を使える可能性がある場合は、公募時期も年間計画に入れておきましょう(展示会に使える補助金・助成金の探し方)。
年間スケジュールに落とし込む
出る展示会と予算の枠が決まったら、1年分のカレンダーに主な締切を書き込みます。書いておきたいのは、出展申込み・早期割引の締切、小間位置の決定時期、装飾会社への相談開始(目安として会期の3〜4か月前)、出展者マニュアルの提出物の締切、そして会期後のフォロー期間です。
このカレンダーを営業部門や上司と共有しておくと、「その週は展示会だからスタッフを空けておいて」といった調整がスムーズになります。社内への説明のしかたは「「で、いくら儲かるの?」に答える。展示会出展の社内稟議の通し方」も参考になります。
よくある質問
Q. 来年出るかどうか迷っている展示会でも、早期申込をしたほうがいいですか?
A. 早期申込はキャンセル規定が厳しい場合があります。申込み後のキャンセル料がいつから、いくら発生するかを募集要項で確認し、判断の期限を社内で決めておきましょう。迷う段階なら、まず主催者の資料請求や説明会への参加から始めるのがおすすめです。
Q. 予算がまだ確定していなくても、装飾会社に相談していいですか?
A. 問題ありません。むしろ「このくらいの広さで、こういう見せ方なら、いくらくらいか」という概算を早めにつかんでおくと、社内の予算申請で説得力が増します。概算の段階では、小間数と工法の候補、使いたい機器(モニターなど)が分かれば十分です。
まとめ
来年の展示会は、今年の記憶が新しい秋のうちに計画を立てるのが得策です。今年の費用と成果を数字で振り返り、出展本数と組み合わせを決め、1回あたりの予算を項目ごとに積み上げる。そして締切を年間カレンダーに書き込んでおけば、来年は余裕を持って準備を始められます。過去のブースの実例は施工事例ページでもご覧いただけるので、予算感をつかむ参考にしてください。
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