ブースのデザインが固まってくると、次に決めるのが什器です。受付カウンター、商談テーブル、椅子、カタログスタンド、展示台。図面に描かれた四角い枠が実際に何になるのかは、意外と最後まで曖昧なまま進みがちなところです。
そして打ち合わせで必ず出るのが「これはレンタルですか、造作ですか」という質問。初出展だと、そもそも選べることを知らないまま話が進んでしまうこともあります。この記事では、什器の3つの調達方法と使い分け、小間サイズごとの数の目安、そして見落としやすい什器を整理します。
什器の調達には3つの方法がある
展示会で使う什器は、大きく分けて次の3通りで用意します。それぞれ費用も見た目も納期も違うので、全部を同じ方法で揃える必要はありません。
| 方法 | 内容 | 向いているもの |
|---|---|---|
| レンタル | 施工会社や主催者のレンタル備品から借りる | テーブル、椅子、カタログスタンド、モニター |
| 造作 | ブースに合わせて木工などで新しくつくる | 受付カウンター、製品に合わせた展示台 |
| 持ち込み | 自社にあるものを会場へ運ぶ | 製品、実演用の機材、社名入りの備品 |
費用だけで言えばレンタルがいちばん軽く、造作がいちばん重くなります。ただし造作は「そのブースのためだけの寸法・色」でつくれるので、見た目の一体感がまるで違います。すべて造作にすると予算が膨らみ、すべてレンタルにするとどこかで見たブースになる——このバランスを取るのが什器計画です。
判断の目安はシンプルです。来場者が最初に目を向ける場所だけ造作にして、あとはレンタルで揃える。多くの場合それは受付カウンターと、主力製品を載せる展示台の2つです。ブースの工法そのものについては「システムブースと木工ブース、どっちを選ぶ?初出展のためのブース工法の選び方」もあわせてご覧ください。
小間サイズ別、什器の数の目安
1小間はおよそ3m×3m(9平方メートル)。ここに何を置けるかは、想像より限られます。目安として次のくらいが収まりのよい数です。
| 小間数 | 面積の目安 | 什器の構成例 |
|---|---|---|
| 1小間 | 約9㎡ | 受付カウンター1台/ハイテーブル1台/椅子2脚/展示台1台/カタログスタンド1台 |
| 2小間 | 約18㎡ | 受付カウンター1台/商談テーブル1卓(椅子4脚)/展示台2台/カタログスタンド2台 |
| 3小間 | 約27㎡ | 受付カウンター1台/商談テーブル2卓/展示台3台/収納付きバックヤード |
1小間で商談テーブルと椅子4脚を置くと、来場者が立つスペースがほとんど残りません。1小間なら立ち話前提のハイテーブル、2小間以上で座って話せるテーブル、と切り替えるのが現実的です。座って商談する場のつくり方は「立ち話で終わらせない。ブース内の商談スペースのつくり方」で詳しく扱っています。
参考までに、当社のブースプランで追加できる主なオプションは、スチール棚が1台36,000円、カタログスタンドが1台8,000円、ハイテーブルが1台8,000円、折りたたみチェアが1脚4,000円、43インチモニターが1台42,000円です。数を1つ増やすたびにいくら動くかが分かっていると、社内の相談も早く進みます。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
忘れられがちな什器
見栄えのする什器は自然と話題に上がりますが、実務で効くのは地味なほうです。次の4つは、当日「あってよかった」と言われる代表格です。
| 什器 | なぜ要るか |
|---|---|
| 収納(バックヤード) | 在庫のパンフレット、上着、私物、ゴミの置き場。受付カウンターの中に組み込むのが定番 |
| ゴミ箱 | ノベルティの包装やコーヒーカップの行き場がないと、什器の上に置かれていく |
| 延長コード・電源タップ | コンセントの位置と機材の位置は、たいてい合わない |
| 備品の予備 | カタログスタンドは、来場者数を読み違えると1台では足りなくなる |
特に収納は最優先です。1小間でも、受付カウンターの下を扉付きの収納にしておくだけで、会期中のブースの見え方が変わります。段ボールが床に出ているブースは、それだけで生活感が出てしまいます。パンフレットの部数計画は「何部刷って、どう配る?展示会のパンフレット計画」を参考にしてください。
色と高さを揃えるだけで、まとまって見える
什器をレンタルと造作で混ぜると、どうしても色味がバラつきます。レンタル備品は白か黒のシンプルなものが多いので、ブースの基調色を決めて、什器はその色に寄せるか、思い切って白で統一すると失敗しません。中途半端に3色以上が混ざると散らかって見えます。
高さも揃えたいポイントです。受付カウンターは900〜1,000mm、ハイテーブルは1,000mm前後、商談用のテーブルは700mm前後が一般的な寸法です。立って使うものは1,000mm、座って使うものは700mmと二段階に揃えると、視線の高さが整理されて見やすいブースになります。色の決め方は「何色のブースにする?ブランドと視認性で決めるブースカラー」もどうぞ。
よくある質問
Q. レンタル什器はいつまでに決めればいいですか?
A. 会期の3〜4週間前が一つの締切になることが多いです。それを過ぎると割増になったり、人気の備品が押さえられなくなったりします。ただし数量は後から増やすほうが難しいので、迷ったら早めに、やや多めに押さえておくのが安全です。申請まわりの締切は「出し忘れると当日が止まる。展示会の提出書類と申請手続きの基本」に整理しました。
Q. 自社にある展示台を持ち込んでもいいですか?
A. 問題ありません。ただし、運搬費と人手がかかること、会場の規定に合うサイズかどうか、そしてブースの色味と合うかを確認してください。持ち込みで浮いた費用より運搬費のほうが高くつくケースもあるので、大きなものほど一度見積もりを比べたほうがいいです。
Q. 什器は次回の展示会でも使い回せますか?
A. 造作した什器は、保管しておけば再利用できます。ただし保管には場所と費用がかかり、次回のブースサイズやデザインが変われば合わなくなることもあります。年に何回も出展する予定があるなら再利用を前提に設計する価値がありますが、年1回なら都度つくるほうが結果的に安いことも多いです。実際の仕上がりは施工事例でご確認いただけます。
まとめ
什器は、目立たないわりにブースの印象と使い勝手を左右します。決め方の順番は、まず収納を確保する、次に来場者の目が行く1〜2点だけ造作にする、残りはレンタルで色と高さを揃える。この3ステップで考えると、予算をかけるべきところが自然に絞れます。
そして最後に、実際にブースに立つスタッフに図面を見せてください。「ここに立つと後ろを通れない」「カタログを取るのに人をまたぐ」といった問題は、現場の目でしか見つかりません。什器の配置は、動線の設計そのものです。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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