設営日の夕方、会場に着くと自社のブースが建っている。初出展なら、思わず写真を撮りたくなる瞬間です。ただ、そこで「できてますね」と言ってすぐ搬入に移ると、翌朝になって「コンセントが足りない」「パネルの文字が違う」と気づくことになります。
施工が終わったブースを受け取る場面を、この記事では「引き渡し確認」と呼びます。担当者がまだ会場にいる短い時間に何を見ればいいのか。持ち物、確認の順番、不具合の伝え方を、1小間なら15〜30分で終えられる手順にまとめました。
引き渡し確認は「直せる最後の時間」
展示会のブースは、多くの場合、会期の前日か前々日に施工されます。職人はブースが完成すると次の現場へ移り、会場を離れます。工具と材料と人が揃っているのは引き渡しの時点まで。照明の向きやパネルの傾きは、その場なら数分で直りますが、翌朝に頼むと人の手配からやり直しです。
だから、立ち会いの時刻は事前に装飾会社と決めておきます。聞いておくのは「何時ごろ完成するか」「担当者は何時まで会場にいるか」の2点。搬入全体の流れは展示会の搬入・搬出の段取りと持ち物リストを参考にしてください。
持っていくものは5つ
| 持ち物 | 使いみち |
|---|---|
| 最終の図面とデザイン画(紙に印刷) | 実物と見比べる基準。書き込みもできる |
| メジャー(5m以上) | 壁の幅と高さ、展示台の寸法を測る |
| スマートフォン | 全景と気になる箇所の撮影 |
| 実際に使う機器を1台 | 通電と映像の映りを確かめる |
| 貼ってはがせるテープとペン | 気になる箇所に印をつける |
図面は、最後に合意した版を持っていくこと。読み方に不安があれば、展示会ブースの平面図・立面図の見方を先にどうぞ。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
外から中へ。確認する10のポイント
確認は、来場者と同じ順番で進めます。いきなり中に入らず、通路の離れた場所から近づいていきます。
| 順番 | 見る場所 | チェックすること |
|---|---|---|
| 1 | 通路の5m手前 | 社名サインが読めるか。隣のブースや柱に隠れていないか |
| 2 | 正面 | 図面どおりの位置と向きか。小間の境界からはみ出していないか |
| 3 | 壁面グラフィック | 社名・数字・URLの誤字、ロゴの色、シワやたるみ、継ぎ目のズレ |
| 4 | 照明 | すべて点くか。見せたいグラフィックと展示台に光が当たっているか |
| 5 | 床 | カーペットの浮きや汚れ、配線による段差 |
| 6 | コンセント | 位置と口数が図面どおりか。機器をつないで電気が来ているか |
| 7 | 什器 | 台数、ガタつき、扉の開け閉め、鍵の本数 |
| 8 | モニター | 映像が映るか、音が出るか、繰り返し再生になるか、金具の固定 |
| 9 | ストックスペース | 扉やカーテンの開閉、荷物が入る広さがあるか |
| 10 | 仕上げ | ビスや釘の出っ張り、角の処理、養生や施工ゴミの残り |
見落としやすいのは3番と6番です。グラフィックの誤字は、実物大になって初めて見つかることがあります。社名、数字、URLの3つは声に出して読んでください。
コンセントは「ある」ことではなく「電気が来ている」ことを確かめます。設営日は通電が始まる時刻が決められていることがあり、その前だとコンセントはあっても電気が来ていません。通電の時刻は出展マニュアルで確認できます。電源まわりの基本は展示会ブースの電源・インターネット回線の申込みと、当日つながらない対策、照明の当て方は展示会ブースの照明の考え方にまとめています。
不具合を見つけたら、3つに仕分ける
気になる箇所は、まず「いま直せるか」で仕分けます。
| 分類 | 例 | 対応 |
|---|---|---|
| その場で直る | 照明の向き、パネルの傾き、汚れ、什器のガタつき | 担当者にその場で依頼する |
| 時間がかかる | グラフィックの誤字や色の違い、部材の不足 | いつ直るかを確認し、応急策も相談する |
| 会期中は直せない | 壁の位置や高さなど、構造に関わる変更 | 現状で運用し、次回への申し送りにする |
誤字の刷り直しが初日の朝に間に合うかは、時刻と出力の体制次第です。間に合わないときは、該当箇所だけを上から貼る小さなシートで直す方法もあります。
伝えるときは、気づくたびに言うのではなく、ひと通り見終えてからまとめて。印をつけて写真を撮り、「必ず直してほしいもの」と「できれば直したいもの」を分けると、担当者が作業の順番を組みやすくなります。
追加費用がかかるかは、原因で分かれる
最終の図面や入稿データと違う仕上がりなら施工側の原因、図面どおりのものを「やっぱり変えたい」のは仕様変更です。後者は追加費用の対象になるのが一般的です。
揉めやすいのは、そのどちらでもない「図面に書かれていなかったこと」。コンセントの位置やモニターの高さが典型です。防ぐ方法は、最終図面に書き込んでおくこと。口頭で伝えただけの内容は、現場まで届きにくいものです。
確認が終わったら、仕上がりを写真で残します。正面、左右の斜め、各壁面の寄りで計6〜8枚。撮り方は展示会の記録写真の撮り方と使い道を、角度の参考には当社の施工事例もご覧ください。
立ち会えないとき、そして最後に聞いておくこと
設営日に会場へ行けない場合は、完成写真を送ってもらいます。通路の5m手前からの正面、左右の斜め、各グラフィックの寄り、コンセントまわり、と角度を指定して頼み、担当者が会場にいるうちに返事をします。
最後に3つ聞いておきます。会期中の緊急連絡先、撤去が始まる時刻、鍵やレンタル備品の返し方。会期中に何か起きたときの初動は展示会当日のトラブル対処法も参考になります。
よくある質問
引き渡し確認には、どのくらい時間がかかりますか?
1小間なら15〜30分が目安です。2小間以上やモニターが複数台なら45分ほど。直しの時間も要るので、担当者が会場を出る1時間前までに始めてください。
主催者のパッケージブースでも、確認は必要ですか?
必要です。パッケージブースの場合、相談先は装飾会社ではなく、主催者の事務局や会場内の窓口になります(名称は展示会によって異なります)。社名板の表記、コンセントの位置、申し込んだ備品の数の3点は必ず確認を。
まとめ
ブースの引き渡しは、ただの受け取りではなく、直せる最後のタイミングです。最終図面とメジャーを持ち、通路の5m手前から順に10か所を見る。不具合は3つに仕分け、優先順位をつけてまとめて伝える。これで初日の朝の「しまった」はほとんど防げます。
確認の精度を上げる近道は、当日より前の図面の段階にあります。引き渡し確認は、図面の答え合わせだと考えてください。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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