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展示会お役立ちコラム

英語で話しかけられたら。展示会の海外来場者対応、最低限の準備

国内の展示会に出るつもりだったのに、通路を歩いているのは日本人だけではない。近年の主要な展示会では、海外からの来場者やバイヤーが一定の割合を占めます。ブースの前で立ち止まった相手に英語で話しかけられ、固まってしまった——初出展でよく聞く場面です。

ただ、必要なのは流暢な英語ではありません。展示会での会話は用途が限られていて、準備できることのほうが多いのです。この記事では、英語が得意なスタッフがいない中小企業でも当日困らないための、最低限の備えを整理します。

まず用意するのは「英語のパネル1枚」

最初にやるべきは会話の練習ではなく、読めば分かる状態をつくることです。相手が知りたいのは、たいてい次の3つに集約されます。

相手の疑問パネルに書くべきこと
この会社は何をしているのか事業内容を1〜2行の英語で
この製品は何ができるのか用途と主な仕様。数字は世界共通なので効く
どこの国に出せるのか対応可能な地域、輸出実績の有無

A1サイズのパネル1枚に、この3点を英語で載せておく。それだけで、話しかける前に相手が判断できるようになります。言葉が通じなくても、数字と写真は伝わります。寸法、処理能力、対応温度といったスペックを表にしておくと、指差しで会話が成立します。パネルづくりの基本は「遠くからでも伝わる。展示会パネル・グラフィックづくりの基本」を参考にしてください。

日本語のパネルを全部英語に差し替える必要はありません。メインの日本語パネルの横に、英語の要約を1枚足す。この形がいちばん現実的で、日本人来場者への訴求も損ないません。

名刺と資料は、片面だけ英語にしておく

名刺は最優先の準備物です。専用の英語版を新しくつくらなくても、裏面に英語表記を入れておくだけで十分機能します。社名、氏名、役職、メールアドレス、会社のURL。この5つがローマ字で書かれていれば、相手は連絡できます。

パンフレットは全ページの翻訳まで求められません。1枚もののA4を英語で用意し、日本語版と一緒に渡すのが現実的です。枚数は多くなくて構いません。目安として、3日間の会期で20〜30部あれば足りるケースがほとんどです。部数の考え方は「何部刷って、どう配る?展示会のパンフレット計画」もあわせてどうぞ。

もう一つ、意外と効くのがQRコードです。英語版の製品ページや動画へ飛ぶQRコードをパネルの隅に置いておけば、その場で説明しきれなくても持ち帰ってもらえます。紙を渡すより荷物にならないので、海外からの来場者には喜ばれます。

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通訳を頼むか、翻訳アプリで足りるか

よくある悩みです。判断の目安を整理します。

状況現実的な選択
立ち寄った人への簡単な説明翻訳アプリで十分。スマホかタブレットを1台ブースに用意
具体的な引き合いが想定される通訳の手配を検討。半日単位や、主催者の紹介制度がある場合も
海外展開を明確な目標にしている通訳を常駐。事前に製品知識を共有しておく

初出展で、海外展開がまだ視野に入っていない段階なら、翻訳アプリと英語パネルで乗り切って問題ありません。無理に通訳を入れるより、その予算をブースの見せ方に回したほうが成果につながります。ただしアプリを使うなら、当日いきなりではなく事前に一度試しておいてください。会場のWi-Fiは混雑して繋がりにくいことがあるので、オフラインでも動く設定にしておくと安心です。

なお、主催者によっては通訳の紹介や商談マッチングのサービスを用意していることがあります。出展社マニュアルに案内が載っていることが多いので、届いたら確認してみてください。マニュアルまわりは「出し忘れると当日が止まる。展示会の提出書類と申請手続きの基本」に整理しました。

その場で言えるようにしておく5つの表現

完璧な会話は要りません。次の5つだけ言えれば、失礼にならずに場が回ります。ブースの受付裏に貼っておくとよいでしょう。

場面言い方の例
挨拶して受け入れるHello. Please take a look.
英語が得意でないと伝えるSorry, my English is limited. May I use a translation app?
資料を渡すHere is our English brochure.
連絡先を交換するCould I have your card? We will email you.
後日連絡すると伝えるWe will contact you after the show.

大切なのは、話せないことを理由に目をそらさないことです。相手からすれば、英語が下手なことより、無視されるほうがずっと印象に残ります。笑顔で1枚パンフレットを渡すだけでも、接点としては十分に成立します。声のかけ方そのものは「素通りされないブースへ。展示会の声かけ・呼び込みのコツ」もどうぞ。

よくある質問

Q. 海外の名刺をもらったあと、どうフォローすればいいですか?

A. 会期後1週間以内に、英語の短いメールを1本送ってください。長文は不要です。お礼、ブースで話した内容の確認、英語資料のリンク、この3点だけで構いません。翻訳ツールで下書きして問題ありません。返事がなくても記録は残しておくこと。数年後に問い合わせが来ることもあります。名刺の管理は「展示会の成果は「終わったあと」で決まる。名刺・リード管理とフォローの基本」を参考にしてください。

Q. 商社やブローカーらしき人の対応はどうすれば?

A. 展示会には、代理店契約や仕入れを狙って各ブースを回る人もいます。無下にする必要はありませんが、その場で条件を約束するのは避けてください。「担当部署に確認して連絡します」で持ち帰るのが原則です。名刺と会社名を控えて、後日社内で判断すれば十分間に合います。

Q. 英語表記のパネルをつくるのに、翻訳は誰に頼めばいいですか?

A. 短い文量なら翻訳ツールで下訳をつくり、英語の分かる人に一度チェックしてもらう形で足ります。専門用語だけは自社で正しい訳語を確認しておいてください。ここが違っていると、かえって伝わりません。パネルのデザインごと施工会社に相談すれば、レイアウトと合わせて仕上げてもらえます。実際の仕上がりは施工事例でご覧いただけます。

まとめ

海外来場者への対応は、身構えるほど大変ではありません。英語のパネルを1枚、名刺の裏面を英語に、A4の英語資料を20〜30部、翻訳アプリを1台。この4つを用意すれば、初出展としては十分な備えになります。

そして、対応できたかどうかは記録に残してください。何人来て、どの国から、何を聞かれたのか。この情報は、次に海外展開を検討するときの一次データになります。準備の目的は今回を乗り切ることだけではなく、次の判断材料をつくることでもあります。

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