出展の準備は進んでいる。ブースも決まった。けれど「当社が出展します」という知らせは、まだどこにも出していない。初めての出展では、ここが抜けがちです。大企業のものに思えますが、やることは「出展の事実と見どころを、A4で1〜2枚にまとめて届ける」だけです。
この記事では、いつ出すか、何を書くか、どこに届けるか、会期中に記者が来たらどうするかを、順を追って説明します。
出展のプレスリリースは、来場者にも読まれている
プレスリリースは本来、報道機関に向けた文書です。ただ、いまは自社サイトや配信サービスに載せた内容が、そのまま検索結果に出ます。つまり、展示会の名前で検索した来場予定者が直接読む文書でもあります。
役割は3つ。業界紙やWebメディアに知ってもらうこと、来場予定者が立ち寄り先を決める材料になること、既存のお客様への案内文になることです。1本書けば、メール、SNS、営業の案内状に転用できます。事前集客全体の進め方は展示会の事前集客、招待券・メール・SNSの使い方をあわせてご覧ください。
いつ出す? 会期の3〜4週間前を軸に考える
出す時期の目安は、会期の3〜4週間前です。早すぎると忘れられ、遅すぎると来場予定に入りません。来場者が回るブースを決めはじめる少し前に、情報が出ている状態をつくります。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 会期の2か月前 | 業界紙・専門誌に展示会特集の予定があるか確認。主催者がプレス向けに出展社情報を集めていないか、出展社マニュアルで確認 |
| 会期の6週間前 | 原稿を書きはじめ、製品写真を用意 |
| 会期の3〜4週間前 | 自社サイトに掲載し、メディアへ送付 |
| 会期の1週間前 | SNSとメールで再度案内。小間番号と見どころを短く |
| 会期中〜会期後 | 当日の様子や反響を、写真つきで自社サイトに報告 |
紙の専門誌は発行日のかなり前に原稿を締め切るので、特集号に載せたいなら2か月前には編集部に問い合わせておきます。全体の準備日程は申込から搬入までの逆算スケジュールに重ねて組むと、抜けが出ません。
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1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
何を書く? A4で1〜2枚に収める構成
記者も来場者も、最初の数行で読むかどうかを決めます。次の順番で、A4で1〜2枚、文字数にして800〜1,200字ほどにまとめます。
| 順番 | 書くこと | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | タイトル | 30〜40字。展示会名と、何を見せるかを入れる |
| 2 | リード文 | 誰が・いつ・どこで・何を出すかを3〜4行で |
| 3 | 出展の見どころ | 展示物を1〜3点に絞り、数字と用途で説明 |
| 4 | 展示会の概要 | 名称、会期、会場、自社の小間番号、公式サイトのURL |
| 5 | 会社概要 | 社名、所在地、事業内容、設立年 |
| 6 | 問い合わせ先 | 担当者名、電話、メール。会期中につながる番号も |
タイトルは「◯◯展に出展します」だけでは弱く、読み飛ばされます。「加工時間を従来の半分にする卓上機を、◯◯展で初公開」のように、見せるものと来場者の得を先に置きます。言葉の絞り方は展示会で3秒のうちに伝わる言葉の決め方が参考になります。
見どころは、欲張らずに絞ります。新製品がなくても、実演を初めて行う、導入事例を初めて公開する、会場限定で相談会を開く、といった「この展示会で初めてのこと」が1つあれば十分に書けます。写真は製品単体と使用場面の2〜3点を添えます。
どこに届ける? お金をかけない順に3つ
届け先は、費用のかからないものから順に考えます。
1つめは自社サイトのお知らせ欄。費用はかからず、検索にも残ります。ここに載せたページのURLを、メールやSNSで案内する起点にします。展示会の公式サイトの出展者ページも埋めておきましょう。登録のコツは展示会の出展者情報・製品情報の登録のコツで説明しています。
2つめは、業界紙・専門誌・業界のWebメディアへの直接送付です。自社の商材を扱う媒体を3〜5つ選び、プレスリリースの受付窓口へメールで送ります。本文に全文を貼り、PDFと写真を添付するのが一般的です。
3つめは、有料の配信サービスです。目安として1本あたり数万円で、多くのメディアにまとめて届けられます。新製品の発表など、広く知らせたいときに検討します。出展の告知だけなら、1つめと2つめで足りることが多いでしょう。
会期中に記者が来たら。渡すものと話すこと
会期中は、業界紙の記者が会場を回っていることがあります。慌てないように、3つだけ準備しておきます。
1つめは、渡す資料です。プレスリリースを印刷したものと製品資料をクリアファイルにまとめ、5部ほどブースに置いておきます。2つめは、対応する人を決めておくこと。担当者が席を外す時間帯は、名刺を預かって折り返す段取りにします。3つめは、30秒で言える説明です。「何を」「誰のために」「どこが新しいか」を、数字を1つ入れて話せるようにしておきます。
主催者がプレスルームを設け、出展社の資料を置ける展示会もあります。可否や部数は展示会ごとに違うので、出展社マニュアルで確認してください。ブースの撮り方は展示会の記録写真の撮り方と使い道を、ブースの仕上がりの例は施工事例をご覧ください。
よくある質問
新製品がなくても、プレスリリースを出していいですか?
出して構いません。ただし「出展します」だけでは読まれないので、この展示会で初めて行うことを1つ決めて書きます。実演、事例の公開、会場限定の相談会などです。来場者が足を運ぶ理由になるかどうかを基準にしてください。
小間番号がまだ決まっていません。待ったほうがいいですか?
小間番号は来場者がブースを探す手がかりなので、できれば決まってから出します。会期の3週間前になっても未定なら、番号なしで先に出し、決まった時点で自社サイトのページに追記して、SNSとメールで改めて案内してください。
まとめ
出展のプレスリリースは、会期の3〜4週間前を目安に、A4で1〜2枚。タイトルには展示会名と見せるものを入れ、見どころは1〜3点に絞ります。届け先は、自社サイト、業界の媒体3〜5つ、必要なら有料の配信サービスの順に考えます。
ブースを整えるのと同じくらい、「そこに自社がいる」と事前に知らせることが当日の来場につながります。まずはタイトルの1行から書いてみてください。
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