「ブースの装飾、とりあえず何社かに見積もりを頼んでおいて」。上司にそう言われて、どこに・何を・どう頼めばいいのか手が止まってしまう担当者の方は少なくありません。いざ届いても、A社は35万円、B社は62万円と金額がばらばらで、どれが妥当か判断できない、という声もよく聞きます。
金額がそろわない原因の多くは、会社ごとに「頼まれた内容の受け取り方」が違うことにあります。この記事では、相見積もりを何社に、いつ、どんな条件で頼み、届いた見積もりをどう比べるかを順番に説明します。
相見積もりは何社に頼む? 目安は2〜3社
相見積もり(あいみつもり)とは、同じ内容の仕事を複数の会社に見積もってもらい、金額や提案を比べることです。展示会ブースの場合、頼む数は目安として2〜3社が扱いやすい範囲です。
1社だけでは金額が高いのか安いのかが分かりません。かといって5社、6社に声をかけると、打ち合わせだけで1社あたり1時間前後かかり、提案を読み比べる手間も増えます。本気で検討できる数に絞るほうが、中身の濃い提案が返ってきます。
主催者の指定業者と外部の装飾会社のように、タイプの違う会社を混ぜると比べやすくなります。タイプごとの特徴は展示会ブースの発注先の選び方で整理しています。
依頼前にそろえる「同じ条件」8項目
いちばん大切なのは、全社に同じ条件を渡すことです。口頭で1社ずつ説明すると内容がずれるので、A4用紙1枚にまとめ、同じ文面をメールで送ります。最低限そろえたいのは次の8項目です。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 展示会名・会期・会場 | 展示会の正式名称、会期の日付、会場とホール名 |
| 小間数と小間の形 | 1小間(3m×3m)、角小間か列小間か、開いている面の数 |
| 出展の目的 | 新規の見込み客の名刺を3日間で150枚、既存客との商談10件など |
| 展示するもの | 製品の点数と大きさ、重さ、電源が必要かどうか |
| 予算の上限 | 装飾費として税別50万円まで、のように範囲をはっきり書く |
| 見積もりに含めてほしい範囲 | 施工・撤去、照明、グラフィック出力、床、什器、電気工事の有無 |
| 提出してほしいもの | 見積書、平面図、完成イメージ図(パース)の有無 |
| 提出期限と決定時期 | 提出は◯月◯日まで、発注先の決定は◯月◯日ごろ |
「予算の上限」を伏せたまま頼むと、30万円の案と90万円の案が並び、比べようがなくなります。上限を伝えたうえで最善の案を出してもらうほうが、各社の工夫の違いが見えます。1枚にまとめる書き方はオリエンシートの書き方も参考にしてください。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
依頼から決定までのスケジュール。会期3か月前が目安
目安として、会期の3か月前に依頼を出しておくと、比較と社内の承認に無理がありません。流れは次のとおりです。
- 会期3か月前:条件をまとめた依頼書を2〜3社に同じ日に送る
- 依頼から1週間以内:各社と30分〜1時間の打ち合わせ(オンラインでも可)
- 依頼から2〜3週間後:見積書と提案の提出を受ける
- 提出から1週間以内:比較、質問、社内の承認を経て発注先を決める
- 会期2か月前:発注、デザインの詰めと出展者マニュアルに沿った申請の準備に入る
提出期限は全社同じ日にします。先に届いた金額を別の会社に伝えて値下げを求める進め方は、信頼を損ね、公平な比較にもなりません。
見積もりは総額ではなく「含まれる範囲」をそろえて比べる
総額を比べる前に、各社の見積もりに「何が含まれていて、何が含まれていないか」を一覧にします。
| 確認する費目 | 見るポイント |
|---|---|
| 施工・撤去費 | 設営と撤去の両方が入っているか。夜間や早朝の作業に割増があるか |
| 照明 | スポットライトの灯数。電気の幹線工事費(主催者へ払う費用)は別か |
| グラフィック | 壁面の出力や社名サインが何平方メートル分まで入っているか。デザイン制作費は別か |
| 床・什器 | カーペット、受付カウンター、展示台、商談テーブルの数 |
| 運搬・諸経費 | 運搬費、現場管理費、廃材の処分費が計上されているか |
| 変更・キャンセル | 発注後に仕様を変えた場合の扱い、キャンセル料が発生する時期 |
「◯万円〜」と表示された価格も、含まれる範囲は会社によって違います。たとえば当社のNEIGHBORでは、1小間のシステムブースが28万円〜、壁だけプランが18万円〜、木工ブースが72万円〜(参考価格)で、いずれも照明込み、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。「どこまで込みか」が分かれば、同じ線を引いて比べられます。
範囲をそろえると、いちばん安く見えた会社が、照明と撤去を足すといちばん高かった、ということも起こります。見積書の読み方は見積書で契約前に確認すべき7項目に詳しくまとめました。
金額以外で比べる4つの点
金額の差が数万円におさまったら、次は金額以外で比べます。見ておきたいのは次の4点です。
- 提案が出展の目的に答えているか(見た目のきれいさだけでなく、名刺を集める動線や商談の場所が考えられているか)
- 同じ会場、同じ小間数での施工実績があるか(写真で確認できるか)
- 主催者への申請書類や電気の申込みを、どこまで手伝ってくれるか
- 設営日と会期初日に、連絡のつく担当者が誰か
実績は、言葉より写真で見るのが早道です。当社の施工事例のように、小間数や雰囲気が分かる写真を各社に見せてもらい、自社の小間に近いものがあるかを確かめてください。
よくある質問
Q. 相見積もりであることは、各社に伝えるべきですか?
伝えて問題ありません。最初に「2〜3社に同じ条件でお願いしています」と伝えるほうが誠実です。
Q. 選ばなかった会社には、どう断ればいいですか?
決定したら早めに、メールで構わないので結果を伝えます。「今回は予算との兼ね合いで他社にお願いすることになりました」のように、理由を一言添えると丁寧です。返事をしないまま放置するのがいちばん失礼にあたります。
まとめ
相見積もりは、2〜3社に、同じ条件を書いた1枚の依頼書を、同じ日に送るところから始まります。届いた見積もりは総額で比べる前に、含まれる範囲をそろえる。そのうえで、提案が出展の目的に答えているか、当日まで頼れる担当者がいるかを見て決める、という順番です。
条件を1枚にまとめる作業は、自社が展示会で何をしたいのかを整理する時間にもなります。会期の3か月前を目安に動き出してみてください。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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