ブースのデザインも印刷物も決まって、あとは当日を待つばかり。そんなタイミングで「そういえば、誰が何人で立つんだっけ」と気づくことがあります。営業部から2人出せることになったものの、3日間ずっと2人で回せるのか、昼ごはんはどうするのか。初出展でいちばん後回しにされがちなのが、この人員計画です。
この記事では、何人立てばいいのかを「同時に何組と話したいか」から逆算する考え方、1日のシフトの組み方、人が足りないときの現実的な対処法を整理します。数字の目安も出しますので、社内で人を確保するときの根拠にしてください。
人数は「小間数」ではなく「同時に何組と話すか」で決まる
よく「1小間なら2人」といった目安が出回りますが、これは結果論です。本当に決めるべきは、ピーク時に同時に何組の来場者と話すつもりかです。
来場者1組あたりの滞在時間は、短くて1〜2分、じっくり話す相手でも10〜15分程度です。ここから逆算します。3日間で150件の名刺を集めたいなら1日50件。開場している6時間のうち人が流れてくるのは正味4時間ほどなので、1時間あたり12〜13組と話す計算になります。1組5分平均なら、常時1人が話しっぱなしでちょうど12組。つまり「常時1人が接客、1人が呼び込み」の2人体制が最低ラインです。
これを踏まえた、小間数別の目安です。
| ブース規模 | 常時立つ人数 | 会期中に必要な総人数 | 想定 |
|---|---|---|---|
| 1小間(約3m×3m) | 2名 | 3〜4名 | 接客1+呼び込み1 |
| 2小間(約6m×3m) | 3名 | 4〜6名 | 接客2+呼び込み1 |
| 3小間 | 4名 | 6〜8名 | 接客2+商談1+呼び込み1 |
| 4小間以上 | 5〜6名 | 8〜12名 | 商談スペース専任を置く |
「常時立つ人数」と「総人数」が違う点に注目してください。休憩、他ブースの見学、社内対応で必ず抜ける時間が出るため、常時人数の1.5〜2倍を確保しておかないと、実際には穴が空きます。
1日の来場者の波から、シフトを逆算する
展示会の来場者は、1日を通して均等には来ません。多くの展示会で、次のような波があります。
| 時間帯 | 来場者の量 | 体制 |
|---|---|---|
| 10:00〜11:00 | 少なめ(目的を持った人) | 2名。落ち着いて深く話す |
| 11:00〜13:00 | 多い(第1のピーク) | フル体制。休憩は入れない |
| 13:00〜14:00 | やや落ちる | 交代で昼食 |
| 14:00〜16:00 | もっとも多い(第2のピーク) | フル体制。増員できるならここ |
| 16:00〜17:00 | 減る | 1〜2名。名刺整理と翌日準備 |
ここから分かるのは、昼食を12時台に取ってはいけないということです。第1ピークのど真ん中で人が抜けます。13時台にずらし、2交代で30分ずつ取るのが現実的。他社ブースの見学も10時台か16時台にしましょう。
シフト表は名前と時間帯だけの簡単なもので構いませんが、必ず紙に印刷してバックヤードに貼ってください。口約束だと、当日の高揚感の中で誰も休憩に行かず、2日目にガス欠します。バックヤードのつくり方は1小間でもつくれる展示会ブースのバックヤードを参考にしてください。
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1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
役割を4つに分ける
全員が同じ動きをすると、来場者が2組同時に来たときに全員がそちらに集まり、通路側が無人になります。人数が少なくても、役割だけは分けておきましょう。
呼び込み担当は通路寄りに立ち、歩いている人に声をかけます。ブースの奥に引っ込まないこと。説明担当は展示物の前で、立ち止まった人に1〜2分で要点を伝えます。商談担当は、見込みが高い相手をテーブルに案内して深く話します。記録担当は名刺に温度感をメモし、資料の補充や在庫を管理します。
2人しかいない場合は、呼び込み+説明を1人、商談+記録を1人に統合します。大事なのは、2人が同じ位置に並んで立たないことです。立ち位置や声のかけ方は展示会スタッフの服装・立ち位置・声かけで詳しく扱っています。
休憩と体調を、計画に組み込む
展示会は、想像よりずっと体力を使います。硬い床の上で6時間以上立ちっぱなし、会場は乾燥していて声を張り続けるため、2日目の午後に必ず疲れが出ます。
対策は地味ですが効きます。1人あたり午前・午後に各15分の小休憩を確保する。バックヤードに折りたたみ椅子を1脚置く。飲み物は1人1日1.5L分用意する。のど飴を常備し、靴はクッション性のあるものにする。これだけで3日目のパフォーマンスが変わります。
また、3日間フル出席は2名までにして、残りは日替わりで社内から出してもらうと、全員の負荷が下がります。社内の当事者意識が上がるという副次的な効果もあります。
どうしても人が足りないときの3つの手
1. ブース設計で人手を補う。看板とパネルで「何の会社で、何ができるか」が読んだだけで分かるようにしておけば、呼び込み担当が説明する手数が減ります。逆に情報が足りないブースは、人力で補うしかなくなります。動線設計も同じで、入りやすいレイアウトにするだけで声かけの負担が下がります。展示会ブースのレイアウトと動線の考え方もあわせてどうぞ。
2. 事前アポを入れる。既存顧客や見込み客に「◯日の14時にブースへお越しください」と事前に約束しておけば、その時間は確実に商談になります。行き当たりばったりの接客より、少ない人数で成果が出ます。
3. ナレーターやコンパニオンを1名入れる。1日2〜4万円程度が目安です。呼び込みと資料配布を任せて、社員は説明と商談に集中する。ただし製品知識はないため、事前に3分程度のトークスクリプトを渡しておく必要があります。
よくある質問
社長や役員はブースに立ったほうがいいですか?
初日の午後など、短時間でも立つ価値はあります。決裁権のある来場者と話が合いやすく、その場で方向性が決まることがあります。ただし3日間張り付く必要はありません。「この時間だけ」と決めて入るほうが、周囲も動きやすくなります。
スタッフ証(入場証)は何枚もらえますか?
展示会によりますが、1小間あたり5〜10枚が一般的です。追加発行が有料になることもあるため、出展者説明会の資料で早めに確認してください。日替わりで人を入れ替える計画なら、必要枚数が増えるので注意が必要です。
当日、想定より来場者が少なかったらどうすればいいですか?
手が空いた時間は、名刺のメモを書き足す、近隣ブースに挨拶に行く、競合の見せ方を観察する時間に使ってください。ブースの中で全員が立ち尽くしているのは、来場者から見ていちばん入りづらい状態です。1人は動きのある作業をしているほうが、ブース全体が活気づいて見えます。
まとめ
人数は「何人出せるか」から決めるのではなく、「何件の名刺を取りたいか」から逆算します。1小間なら常時2名、総勢3〜4名。昼食は13時台にずらし、役割は呼び込み・説明・商談・記録の4つに分ける。休憩を計画に書き込んでおく。これだけで、同じ人数でも成果が変わります。
そして忘れがちですが、人手を減らす最大の手段はブースそのものの設計です。読めばわかるブースは、説明する人を減らせます。施工事例を見ながら、自社の情報量が足りているか確かめてみてください。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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