「せっかく小間代を払うのだから、うちの製品はひととおり並べておこう」。初めての出展準備は、たいていここでつまずきます。並べる点数が増えるほど、来場者は何の会社なのか分からなくなり、通路から素通りされてしまうからです。
この記事では、展示物を何点まで絞るか、その物差し、そして「置くだけ」で終わらせない実演(デモ)の組み立て方を、寸法や時間の目安を交えて整理します。
最初に決めるのは「1人に何を持ち帰ってもらうか」
展示物を選ぶ前に、たった1行だけ決めてください。「このブースに立ち寄った人に、何をひとつだけ覚えて帰ってもらうか」です。
たとえば「うちの部品は、他社より薄い」「この装置なら、段取り替えが5分で終わる」「このサービスは、Excelのまま使える」。この1行が決まっていないブースは、展示物が5点あっても10点あっても記憶に残りません。逆に決まってさえいれば、「その1行を証明するものか」という基準で持ち物を一発で仕分けできます。
社内で意見が割れたら、営業担当が商談でいちばん多く言っているセリフを思い出してください。現場で繰り返し効いている言葉が、たいてい最強の1行です。出展目的の整理は「どの展示会に出る?」自社に合う展示会の選び方と5つの判断軸もどうぞ。
展示物は「主役1・脇役2」の3点まで
1小間(W2,970mm×D2,970mm)で来場者がきちんと認識できる展示物は、経験上3点前後が上限です。それ以上並べると1点あたりの占有面積が小さくなり、どれが主役なのか通路から判断できなくなります。
おすすめは「主役1点+脇役2点」。主役は決めた1行をいちばん強く証明するもの。脇役は、主役を見た人が次に必ず聞く質問(サイズ違い、価格帯、他用途)に答えるものを選びます。仕分けの物差しは次の4つです。
| 物差し | 確認すること | 外してよい展示物の例 |
|---|---|---|
| 遠くから分かる | 通路を歩く速さ(1〜2秒)で何のモノか判別できるか | 近づかないと形が分からない小物 |
| 1行を証明する | 説明なしで、決めた主張を裏づけているか | 「自社製品だから」だけで並べるもの |
| 触れる・動く | 持てる・開けられる・動かせる状態にできるか | ケース越しに眺めるだけのもの |
| 運べる | 人力で搬入でき、什器に安定して載るか | 輸送費が装飾費を上回る重量物 |
4点目以降を見せたいときは、実物ではなくパネルやサンプル箱にまとめ、商談スペース側に置きます。通路側は主役1点に集中させたほうが、結果的に立ち寄りは増えます。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
「置くだけ」で終わらせない。実演は90秒で組み立てる
展示会が他の広告と違うのは、その場で動かして見せられることです。ところが実演を担当者の即興に任せると、10分話しても伝わらない、次の来場者を待たせる、となりがちです。立ち止まった人が聞いてくれるのは目安として最初の1〜2分。ここを90秒の型にしておくと、誰が対応しても品質がそろいます。
- 0〜15秒:相手が困っていることを先に言い当てる(「段取り替え、時間かかっていませんか?」)
- 15〜60秒:実物を動かす。ここが本番。言葉より手を動かす
- 60〜75秒:数字で締める(「これで従来比◯分短縮です」)
- 75〜90秒:次の一歩を提案する(名刺交換、後日デモ)
この90秒は出展前に社内で3回は声に出して練習を。原稿を配るだけでは本番で崩れます。実演する人と通路で声をかける人を分けておけば、1人が説明中でも次の来場者を取りこぼしません。役割分担はブースに立つ人で成果が変わる。展示会スタッフの服装・立ち位置・声かけで詳しく触れています。
なお実演には電気が要ります。装置もモニターも主催者への事前申込が必要で、締切は会期のかなり前です。必要ワット数の考え方は電源は何ワット必要? 展示会の電気・ネット・給排水「付帯設備」申込ガイドをご確認ください。
実物が持ち込めないときの代案
「装置が重すぎる」「据え付けで外せない」「サービスなので形がない」。それでも体験させる方法はあります。
- 部分だけ持つ:加工した現物サンプルや、可動部だけのカットモデルを置く
- 結果物を並べる:機械よりも、その機械でつくった製品のほうが用途が伝わる
- 触れるものに置き換える:ソフトなら、タブレット2台に本番同様のデータを入れて触ってもらう
いずれも「動画を流すだけ」で済ませないことが大切です。映像は足を止めるきっかけになりますが、手が動かないと記憶に残りません。実物・パネル・映像の組み合わせ方は施工事例ページで見比べられます。
展示物が決まってから、ブースの形を決める
順番を間違えないでください。デザインを先に固めると「主役が載らない」「電源が届かない」という手戻りが起きます。装飾会社に伝えるべきは、主役の寸法(W×D×H)と重量、必要な電源容量、来場者が立つ位置、実演時のスタッフ人数。この4つがあれば、什器の高さや通路側の開け方まで提案できます。立って触れる展示物なら台は700〜900mm前後、小物はH1,000mm程度のハイテーブルに載せると視線が合います。
予算の目安として、当社の「NEIGHBOR」の参考価格は、壁だけプランが1小間180,000円〜/2小間280,000円〜、システムブースが1小間280,000円〜/2小間420,000円〜、木工ブースが1小間720,000円〜/2小間1,050,000円〜(照明込み。ターポリンやパネル等の装飾は別料金)。実演が主役なら、壁面をつくり込むより什器・電源・人が立つスペースに配分したほうが成果につながります。商談スペースの取り方は立ち話で終わらせない。1小間からつくれる展示会の商談スペースもどうぞ。
よくある質問
Q. 展示物は何点くらいが適正ですか?
1小間なら3点前後、2小間でも5点程度までがおすすめです。点数を増やすより、主役を通路から見える高さに上げて照明を当てたほうが立ち寄りは増えます。
Q. 実演のスタッフは何人必要ですか?
最低2名です。実演する人と、通路で声をかけて次の来場者を待たせない人を分けます。交代要員を含め1日3名のシフトが組めると安心です。休憩なしで終日立ち続けるのは初日の午後に限界がきます。
Q. 試食・試飲や大きな音の出る実演はできますか?
展示会ごとの出展規約で決まっており、火気・給排水・音量には制限があるのが通常です。企画段階で必ず主催者の出展社マニュアルを確認し、不明点は装飾会社にも共有してください。
まとめ
成果を分けるのは、ブースの豪華さより「何を見せて、何をさせるか」です。持ち帰ってもらう1行を決め、それを証明する主役を1点選び、90秒の実演を組み立てる。そのうえで寸法・電源・立ち位置を装飾会社に伝える。この順番なら1小間でも十分戦えますし、ブースは「並べただけ」から「体験できる場所」に変わります。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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