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展示会お役立ちコラム

床は「最後に決めるもの」ではない。展示会ブースのカーペット・置き床の選び方

ブースの打ち合わせで、壁の色やパネルの文字は時間をかけて話し合ったのに、床の話だけは最後の5分で「じゃあカーペットは無難にグレーで」と決まってしまう。初めての出展では、よくある光景です。

ただ、来場者は歩きながらブースを見ています。視界の下半分近くを占めているのは、実は床です。同じデザインのブースでも、床が変わるだけで「安っぽく見える」「入りにくい」が起きます。この記事では、展示会ブースの床材にどんな選択肢があり、色をどう決め、誰がいくらで手配するのかを、初出展の担当者向けに整理します。

そもそも、何もしなければ床はコンクリートのまま

多くの展示会場の床は、塗装された打ちっぱなしのコンクリートです。小間料金に含まれているのは基本的に「その区画を使う権利」であり、床の仕上げは含まれません。つまり、何も手配しなければ、あなたのブースの足元は通路と同じ灰色のコンクリートになります。

1小間は一般的に間口3m×奥行3mの約9平方メートル。この9平方メートルに色が入るかどうかで、通路を歩く人から見た「ここはひとつのブースだ」という区切りの見え方が変わります。床は数万円台から手が入れられる、費用対効果の高い装飾要素です。

床材は大きく3タイプ

展示会で使われる床材は、おおむね次の3つに分けられます。

種類特徴向いているケース
パンチカーペット厚み2〜3mm程度の不織布。色数が多く、カットして敷き込む。展示会でもっとも一般的1〜2小間の標準的な出展。まず迷ったらこれ
長尺シート(塩ビ系)表面がビニール。木目調・石目調などがあり、汚れを拭き取れる食品・化粧品・インテリアなど、清潔感や質感を見せたい商材
置き床(上げ床)床を数センチ上げて仕上げる造作。配線を床下に通せる大型機械や重量物、配線が多い展示。3小間以上で採用が増える

初出展であれば、まずはパンチカーペットで十分です。商材の質感を見せたい場合に長尺シートを検討する、という順番で考えると迷いません。ブースの工法そのものの選び方はシステムブースと木工ブースの選び方もあわせてご覧ください。

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1小間のブース、いくらでつくれる?

壁だけプラン18万円〜
システムブース28万円〜
木工ブース(参考価格)72万円〜

いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。

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色は「汚れ」と「商品の見え方」の2軸で決める

床の色は、壁との相性だけで決めがちです。ですが実務上、見ておくべき軸があと2つあります。

1つめは汚れです。白やアイボリーは写真映えしますが、3日間の会期で何百人も歩けば、2日目の午後には靴跡がはっきり残ります。単色より、複数の色糸が混ざった杢調(もくちょう/霜降り)のほうが汚れは目立ちません。白系を使いたい場合は、拭き取れる長尺シートを選ぶのが現実的です。

2つめは、床の上に置く商品がどう見えるかです。黒い機械を濃いグレーの床に置くと輪郭が沈み、遠くから形が読み取れません。白い什器を白い床に置いても同じです。商品の色と床の明度に差をつける、が基本になります。

なお、濃い色の床は空間を引き締めますが、ブース全体は暗く見えます。濃色を選ぶなら照明の計画とセットで考えてください。ブースカラー全体の決め方はブランドと視認性で決めるブースカラーで詳しく触れています。

置き床を選ぶなら、段差の処理まで一緒に決める

置き床は「ここからが自社のブース」という領域を強く見せられる一方、床面が数十ミリ持ち上がります。この段差は、資料を見ながら歩いている来場者にとってつまずきの原因になります。

採用する場合は、次の3点を必ず設計に入れておきます。

  • 通路側の開口部にスロープを付け、車いすやカートでも入れるようにする
  • 段差の縁を明るい色や見切り材で見えるようにする
  • 主催者の出展社マニュアルで、置き床の高さ制限や届出の要否を確認する

特に3つめは見落としがちです。壁の高さ規定と同じく、マニュアルの数字を先に読んでからデザインを詰めるのが安全です。

誰が手配する? 費用とスケジュールの目安

床材の手配ルートは3つあります。主催者が用意するオプション(申込書で選ぶ)、装飾会社にブース工事とまとめて依頼する、自社で購入して自分たちで敷く、の3つです。

自社施工は一見安上がりですが、9平方メートルを裁断してテープで固定する作業は、慣れていないと2人がかりで1時間以上かかります。搬入日は什器の組み立てや陳列もあるため、初出展で自前施工はおすすめしません。

費用は仕様や会場で幅がありますが、目安として1小間分のパンチカーペット施工なら数万円台から、長尺シートや置き床は十数万円以上を見ておくとブレが小さくなります。当社の「NEIGHBOR」の参考価格でいえば、壁だけプランが1小間18万円〜(2小間28万円〜)、システムブースが1小間28万円〜(2小間42万円〜)、木工ブースが1小間72万円〜(2小間105万円〜)で、いずれも照明込み・ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。床材がプランに含まれるかどうかは仕様により異なるため、見積もり時にあわせてご確認ください。

手配のタイミングは、遅くとも会期の3〜4週間前。主催者オプションの申込期限は装飾工事の締切より早いことも多いので、出展社マニュアルが届いたらまず期限だけ拾っておきましょう。実際の仕上がりのイメージは施工事例で床面の色や質感も含めて見ていただけます。

よくある質問

カーペットは必ず敷かなければいけませんか?

義務ではありません。あえてコンクリートのままにして無骨さを演出する出展社もあります。ただ、通路との境目が視覚的に消えるため、来場者は「どこからがブースか」を判断しにくくなります。1小間のような小さな区画では、床で領域を示す効果は大きいと考えてください。1小間ブースで目立つための工夫もあわせてどうぞ。

使ったカーペットは次回も使えますか?

パンチカーペットは基本的に使い捨てです。会期中の汚れと、剥がすときのテープ残りで再利用には向きません。裏を返せば毎回ちがう色を選べるということで、その回の客層や主力商材に合わせて色を変えるのは、費用をかけずに印象を変える有効な手です。

床下に電源コードを隠せますか?

置き床であれば床下に配線を通せます。パンチカーペットの場合は、カーペットの下にコードを這わせ、モールで段差をならす方法が一般的です。電源の引込位置は事前申請で決まるため、配線ルートは床材の仕様と同時に決めておくとやり直しが減ります。

まとめ

床は、ブースの中でもっとも面積が大きく、それでいて最後に決められがちな要素です。判断のポイントは3つ。まず種類(パンチカーペット/長尺シート/置き床)を用途で選び、次に色を「汚れ」と「商品の見え方」で決め、最後に手配ルートと申込期限を押さえる。この順番で考えれば、打ち合わせの最後5分で決める必要はなくなります。

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