ブースのデザインは色や文字の大きさで散々悩むのに、照明は「とりあえず何灯かつけておけば」で決めてしまう。初出展ではとてもよくある話です。ところが会場に入ってみると、照明を考えたブースとそうでないブースの見え方は驚くほど違います。この記事では、専門知識がなくても判断できるように、展示会ブースの照明の種類・数の目安・配置の考え方・電気の申込までをまとめて解説します。
会場は思っているより暗い
東京ビッグサイトや幕張メッセのような大型展示場は、天井が10m以上あり、照明もそこから全体をぼんやり照らしているだけです。オフィスや店舗のような明るさはありません。しかも隣のブースが煌々と光っていれば、相対的に自社のブースはさらに暗く沈んで見えます。
来場者は通路を歩きながら、視界の端で「次にどこへ寄るか」を判断しています。暗いブースは、内容以前に候補から外れます。照明は装飾の飾りではなく、足を止めてもらうための最低限の装備だと考えてください。
まず知っておきたい3種類の照明
ブースで使う照明は、役割で3つに分けると理解しやすくなります。
| 種類 | 役割 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| スポットライト | 一点を強く照らし、視線を集める | 展示品、社名サイン、メインパネル |
| ベースライト(面で照らす照明) | ブース全体をムラなく明るくする | 壁面全体、商談スペース |
| 間接照明・内照式サイン | 光そのものを見せて雰囲気をつくる | カウンター、ロゴ、什器の足元 |
初出展であれば、スポットライトで見せたいものを照らし、足りない明るさをベースライトで補う、という2段構えで十分です。間接照明はブランドの世界観を出したいときの選択肢と考えてください。
展示会ブースかんたん見積もり「NEIGHBOR」
1小間のブース、いくらでつくれる?
いずれも1小間(3m×3m)・税別。照明込みで、ターポリンやパネルなどの装飾は別料金です。
1小間・2小間で何灯必要か
目安として、幅3m×奥行3mの1小間であれば、スポットライトは4〜6灯が基準です。壁面が広い場合や白以外の濃い色を使う場合は、光を吸われるぶん多めに要ります。2小間(幅6m)なら8〜12灯が目安です。
「多すぎないか」と心配になりますが、実際に会場で点けてみると、たいてい足りないほうに振れます。逆に明るくしすぎると熱がこもり、来場者が長居しづらくなるので、全体を一様に最大まで明るくするのではなく、見せたい場所に強弱をつけるのが正解です。
色にも注意が必要です。濃紺や黒の壁は光を吸うため、同じ灯数でも白い壁より暗く見えます。ブースカラーを決める段階で照明とセットで考えておくと失敗が減ります。詳しくは何色のブースにする?ブランドと視認性で決めるブースカラーをご覧ください。
入口を明るくするより、奥を明るくする
照明の配置でいちばん多い失敗が、通路側だけを明るくして奥が暗くなっているパターンです。一見すると目立ちますが、来場者から見ると「入っても何もなさそう」に見え、通路で立ち止まって終わってしまいます。
おすすめは逆です。入口はやや控えめにして、ブース奥のメインパネルや展示品をいちばん明るくする。すると視線が奥へ引っ張られ、人は自然と中まで入ってきます。人が入ればさらに人が集まるので、動線の設計と照明はセットで考えてください。
もう一点、スポットライトの向きは必ず「来場者の目に直接入らない角度」にします。通路に向けて水平に近い角度で当てると眩しく、かえって避けられます。壁面や展示台に対して斜め上から落とすのが基本です。実際の当て方は施工事例の写真が参考になります。
電気は「申し込まないと来ない」
意外な落とし穴が電気の手配です。展示会の電気は主催者への申込制で、締切を過ぎると割増になるか、そもそも受け付けてもらえません。照明の灯数が決まったら、必要な電気容量を装飾会社に確認して、期限内に申し込んでください。
目安として、LEDスポットライト1灯あたりの消費電力は10〜20W程度です。照明だけなら数百Wで収まりますが、モニターやデモ機、ポットなどを足すと一気に増えます。申込時は照明・映像・実演機器をすべて書き出して合計してください。手続きの全体像は展示会の電気・ネット・給排水「付帯設備」申込ガイドにまとめています。
見積もりで確認しておきたいこと
装飾会社の見積書を見るとき、照明が「一式」でまとめられていることがあります。その場合は、灯数・種類・電気工事費が含まれているか、電気の使用料(主催者への支払い)は別かを必ず確認してください。ここが曖昧だと、後から追加費用が出やすい部分です。
参考までに、当社のブース見積もりサービス「NEIGHBOR」の参考価格は、壁だけプランが1小間18万円〜/2小間28万円〜、システムブースが1小間28万円〜/2小間42万円〜、木工ブースが1小間72万円〜/2小間105万円〜で、いずれも照明込みの価格です(ターポリンやパネルなどの装飾は別料金)。工法ごとの違いはシステムブースと木工ブース、どっちを選ぶ?で解説しています。
よくある質問
Q. 照明は自分で用意して持ち込んでもいいですか?
展示会によりますが、ブース内の電気工事は主催者指定の電気工事業者しか行えない決まりになっていることがほとんどです。市販のクリップライトを延長コードでつなぐような使い方は、消防や安全規定で認められないケースが多いので、出展規定を必ず確認してください。持ち込みたい機材がある場合は、早めに装飾会社に相談するのが確実です。
Q. 電球の色は白と電球色、どちらがいいですか?
展示品の見え方で選んでください。機械・部品・食品など、色や質感を正確に見せたいものは白色系(昼白色)が向きます。木工品・化粧品・インテリアのように、温かみや高級感を出したい場合は電球色が合います。迷ったら白色系を基準にし、一部だけ電球色でアクセントをつけると失敗しません。
Q. 予算が厳しいとき、照明はどこまで削れますか?
削るなら間接照明や内照式サインからにして、スポットライトの灯数は最後まで守ることをおすすめします。装飾のグレードを1段下げても照明が効いていれば見栄えは保てますが、その逆は成立しません。限られた予算であれば、照明にかける費用は優先度の高いほうに入れて考えてください。
まとめ
展示会の照明は、1小間ならスポットライト4〜6灯を基準に、入口ではなく奥を明るくする。来場者の目に直接光が入らない角度にする。電気の申込は締切前に済ませる。この4点を押さえるだけで、ブースの見え方は大きく変わります。デザインを詰める前に、まず「どこを一番明るくするか」を決めてみてください。それが決まると、レイアウトも展示品の置き場所も自然に決まっていきます。
東京フィルムアートでは、初めての出展でも安心の展示会ブース装飾サービスを提供しています。イメージ図を選ぶだけで概算見積もりがつくれる「NEIGHBOR」もぜひご活用ください。
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